光の中。白い世界にいた。
上も下もない。ただの白だった。白い闇といってもいい。自分の身体すら見えない暖かい闇の中、俺はひとりで揺れていた。
……誰もいない。
ここは死後の世界だろうか。俺は死んだのか。
闇は別に恐くはない。この闇は不安をもたらすものではなかったし、もともと俺の目はほとんど見えなかった。黒い闇が光になったからってどうなるものでもないだろう。だから見えない事に特に不安はなかった。
心残りはいくつかあったが……
あれ?
思い出せない。俺、どうして死んだんだ?
ラピスは……あの子は結局俺のせいで死んでしまった。そう。俺のせいでだ。
ユリカも死んだ。ルリちゃんが看取ってくれたらしい。最後に再会した時ルリちゃんはそう言った。さすがのルリちゃんもかなり本気で怒ってたっけ。もう許さないって。
──あ。
そうか。ちょっと思い出したぞ。
ルリちゃんだ。俺の死因には確か……
確か…………。