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あとがき

 実は、ルリが逆行してないまともな(?)逆行SSは書いたことがありませんでした。最初は『光の人』の別バージョンでやろうと思ったのですが、悩んだ末にルリを正ヒロインに据えた話を書いてみました。
 あと、他の個体への逆行をまじめに考察するパターン。この手のSSでは当然のように描きますが、ナデシコ本編ではこのパターンは存在せず、年代が引き戻されるというのは逆行系のオリジナル設定なのです。
 お読みくださりありがとうございました。
 
『ホシノアキ』
 逆行者。元テンカワアキト。ルリのクローン体、ただし失敗作の体に宿る。口がきけない。これは精神的な理由ではなく、声帯まわりが高速培養時のミスで形成されていないため。
 素質はルリと同一だが何しろ真っ白の赤ん坊同然なので、優れたIFS操作能力も全然うまく使えない。戦争時はマスコット状態に近かった。
 外見もルリと同じだが、遺伝子が同一だから同じ姿になるというわけではない。そういう風に育成時に細工された結果である。中身は赤ん坊同然なのでよく寝る。
 
『ホシノルリ』
 アキ以外に逆行者は存在しない。ルリもこの時間のルリである。
 アキが人間開発センターの地下施設に現れたことから彼女の人生は大きく狂いだす。アキがアキトであると知り驚くが、彼女の記憶の中の『かつてのルリ』の目線の意味を知り、姉妹以上の愛情をアキに抱くようになる。
 だが同時に危険人物であるアキを無害なまま生きさせるにはどうすればいいか、にも悩むようになる。
 
「ルリがアキの行動を認めたか否かについて」
 ある方の感想で、アキとルリの行動の異常性を指摘するご意見がありました。なるほど説明不足と判断し、ラストに少し書き加えました。ご指摘ありがとうございます。
 結論からいうと、ルリはアキの当初の行動を認めていません。むしろ認めないから世話をやき、側にいるともいえます。自分がしっかり監督し、またああいう選択をさせる立場に追い込まないよう守ろうとしているわけです。
 アキの行動については説明はいらないのでは?目的のためにコロニーひとつ巻き込むことも辞さなかった人物です。ユリカを取り戻すためにあれほどのことをした人物が、家族であるルリを守るための行動を躊躇するとは思えない。理想をいえば実行犯だけを叩きのめし排除すればいいわけですが、ルリと同等以下の体力しかなくなり武器もない彼にそんなことできるわけがない。
 人殺しなんて認められないとおっしゃるのなら、映画本編を見てくださいと申し上げるしかないです。その行動を罪と知りながら選びつづけ、それゆえに咎人の自分はユリカとともにはいられないと判断した彼。その選択肢は今も生きている。それだけのことです。多くの逆行SSでは忘れられがちですが、彼はあの劇場版の悲しいアキトの未来なのですから。
 ありがとうございました。



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