やり直せるはずだった。 ジャンプの失敗で時を越えてしまった時、俺はそう思った。最初から悲劇を避けるよう手をうち、身体も鍛えて未来に備える。そうする事により悲劇は最小限に抑えられると。そう信じていた。過ぎたもの…俺本来の歴史はもう取りもどせないが、せめてこの世界の彼女たちだけでも幸せに、と。 だが、無理だった。 いかに力をつけようと、現実は冷酷だった。やはり悲劇は繰りかえされた。気づけば以前とさほど変わりない歴史の中、結局、俺は孤独に戦っていた。 そんなある日、その事件は起きたんだ。